特集
コロナ時代の感染症対策

【医師が解説】コロナ時代の感染症対策
マスク、手洗い、換気、
ソーシャルディスタンスの意義と意味

UPDATE 2021.10.08

目次

  1. 意味のない携帯OFF の電車アナウンス
  2. マスクで感染予防はできない
  3. 鼻出しマスクOK!喋る時だけ口を押える
  4. マスクから放出され続ける、大量のエアロゾル
  5. 感染を防ぎたければ、呼吸を止めるしかない
  6. 換気で感染を防ぐのは非現実的
  7. 公衆トイレは最も感染リスクが高い
  8. マスクには大量のウイルスがいる
  9. アルコール消毒で、感染しやすくなる
  10. マスクの弊害 頭痛・めまい・パニック障害etc...
  11. どんなマスクでもウイルスは入ります
  12. 大いなる矛盾 ソーシャルディスタンス
  13. まとめ

新型コロナウイルスの世界となってから日常生活が一変しております。
そんな今だからこそ、マスク、手洗い、換気などの意味と意義を明確にすべきであると思うのです。
そうすれば〇〇警察のような人はいなくなるでしょう。正しきルールを世界に根付かせるにはメディアと企業の力が必要です。

意味のない携帯OFF の電車アナウンス

コロナ時代の感染症対策

例えば日常生活で殆ど無意味になったルールが通勤電車内での「優先座席の近くではスマートフォンの電源をお切りください」というもの。
このルールができた背景は、電磁波が医療機器や航空機に影響が出ると甚大な問題を引き起こす可能性が指摘されたからです。それに伴い、電磁波による心臓ペースメーカーの誤作動を起こす可能性が指摘され、先のルールが電車内で出てきました。

医療機器メーカーはこの問題を解決するため、誤作動を起こしてはいけない機器にシールドを施しました。心臓ペースメーカーも同様にシールドされた機器が開発されました。
この心臓ペースメーカーには交換時間があり、かなり前に患者さんに使われている全機種がシールドタイプになっていることをメーカー担当者に確認をとっております。

故に、スマートフォンによる誤作動を起こすペースメーカーを付けている人は現時点に於いては事実上いないことになります。

この事実を踏まえれば、電車内でのアナウンスは不要なはずなのです。
それを知ってから知らないでか、優先席でスマートフォンの電源を切っている人を見たことはありませんので、既に世間では形骸化しております。

このように、何の意味もないアナウンスを車掌さんが今も行っており、優先座席付近でスマートフォンを扱う人が妙な罪悪感をもつ必要もないということです。

マスクで感染予防はできない

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世の中の感染対策もかなり似たような状況になっておりますが、目に見えない小さなウイルスを防ぎたくて「何もしない」を許容できなくなっているのです。

ウイルスの大きさを分かりやすくイメージしていただく表現としまして、ウイルスを砂粒1つとします。 握りこぶしに砂粒が付きました。握りこぶしは人の1つの細胞です。その細胞を100個並べますと1mmになります。

逆に凄いのは、1つの細胞である白血球(握りこぶし)が砂粒を認識できる、ということです。白血球がウィルスを認識し、抗体を作るように指示を飛ばすのです。

mRNAワクチンで作られたスパイク蛋白の大きさは、砂粒に生えている微毛級のナノ物質です。それを白血球は認識していることになります。まさに、白血球、恐るべし。

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さて、その小さな、小さなウイルスをどうやって防ぐのでしょうか。

マスクの目の細かさはウイルスからすると2車線のトンネルを通貨するショウジョウバエくらいのサイズですね。

防げますか? 多分無理ですわね。

マスク越しに息を吸うとウィルスにしてみたら風速50mの台風よりも凄いことになるでしょうね。
2車線のトンネルの入り口に風速50m以上が吹いてもショウジョウバエ級の遺物侵入を全て防げるのか、というイメージでしょうか。

そもそもですが、マスクでできた鼻と頬の隙間はウイルス入り放題です。
故に、マスクで感染予防はできないと思っていいでしょう。

鼻出しマスクOK!喋る時だけ口を押える

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では、何のためのマスクなのかというと、2020年春には言われておりました「咳エチケット」です。飛沫感染を広げないようにするための措置でした。

飛沫がどうすると飛んでいくかというと、喋ることによります。
ということで、鼻から飛沫は飛びませんので「鼻出しマスク装着」には何ら問題がないこととなります。 もっと言ってしまえば、喋るときだけハンカチなどで口元を覆えばよろしいでしょう。

マスクから放出され続ける、大量のエアロゾル

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飛沫感染の後でエアロゾル感染という言葉が出てきましたが、これは口や鼻から出てくる目に見えないほど小さい蒸気に含まれるウイルスが空気を漂うことから、それを吸い込んで感染するというものです。
専門科は「空気感染じゃない!エアロゾル感染だ!」と言ったりもしますが、正直申し上げて、そんなことはどうでもいいです。 エアロゾルは鼻からも出てくるのか!それでは鼻出しマスクはダメじゃないか!と思うかもしれませんが、そもそもマスクの脇から大量のエアロゾルは放出されております。
だって、眼鏡が曇るでしょ?曇った原因はあなたのエアロゾルでしょ?それがたまたま見えただけでしょ?眼鏡をしていない人は見えないだけでしょ?

感染を防ぎたければ、呼吸を止めるしかない

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ということで、エアロゾル感染を防ぐ方法は唯一つ。呼吸停止です。 アクリル板も飛沫は防いでもエアロゾル感染は防げません。

もし、エアロゾル感染を防ごうとしたら、それは外出規制で人流を抑える以外にありません。そういえば夜間外出禁止令やロックダウンを日本はしませんでしたね。
こうなりますと、スーパーへお買い物に行くときは酵素ボンベを背負ってレギュレーターで吸って、呼気は全て回収しなければなりません。非現実的ですね。

換気で感染を防ぐのは非現実的

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空気中にウィルスが放出されている前提の措置が換気ですが、世の中を見ると隙間さえ空いていれば良いという風潮です。空気が淀んでウイルスが室内を漂い続けるよりは換気をした方がいいでしょうね。
その換気をどこに流すのか、も、気になりませんか?

ここには問題がありまして、換気をすると風上と風下ができる、ということです。

風上にウイルス放出者がいたら、風下は全員曝露者となります。 例えば通勤電車の窓が開いている場所は中央よりですが、連結部分のドアが閉まっていたら空気が吹きだまり、大曝露エリアと化します。
映画館はスクリーンの下から空気を吸い込むと説明しておりますが、これでは最前列が大曝露エリアと化します。

清潔の極みである手術室の空調がどうなっているのかというと、手術室内に空気が溜まらないように陽圧換気となっており、ドアが開いても外へ空気が押し出される流れです。
また、患者さんの真上から空気が噴き出し、吸気は下の壁側四隅にあります。

手術室では患者さんが最も感染しない空調システムになっています。 (新型コロナウイルスの感染対策は外にウイルスを出さないために陰圧換気となっております。)

ということで、もし換気をするならば、1人1人の口元に排気管を持たせるか、少なくとも30分おきに全員退室→完全換気→室内消毒→全員入室ということになるでしょう。 これも非現実的ですね。

公衆トイレは最も感染リスクが高い

手指消毒や机の消毒の意義は接触感染を防ぐものです。蛍光塗料を手に塗って、どこにどれだけ塗料が付くのか実験する番組を何度か見たことがありますが、果てしなく広がっていく事は一目瞭然でした。

レストランで見ていると、お客さんが立ち去る度にテーブルをアルコール消毒することに意味はあるでしょうが、どうせやるなら椅子の取手もやりましょう。
机はやって椅子の取手はやらないなあといつも感じております。

不特定多数の人が触る手すりは無法地帯です。公衆トイレは最も接触感染リスクの高い場所であることは様々な検証が既になされています。

マスクには大量のウイルスがいる

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この観点でマスクを見ますと、皆さんが吸気して大量のウイルスを吸い込んでいると同時に、マスクの外側にもウイルスを大量に付着させていることにもなります。

マスクの外側を触っていませんか?その手をどうしていますか?手指消毒したら何も触れてはいけません。手術室ではそうなっているでしょう。

もしウイルス保有者であれば、ウイルス入りのエアロゾルはマスクの隙間から出つづけているので、額と両頬に大量のウイルスを付着させています。

額を触った手をどうしていますか?だからこその手洗いと手指消毒となるわけですが、一度綺麗にしたら何も触れてはいけません。非現実的ですね。

アルコール消毒で、感染しやすくなる

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しゃかりきになって手指消毒をし続けると手が荒れますでしょう。私も指の指紋がかさついた経験があります。

この状態は皮膚のバリヤーを失った状態なので、ウイルスや異物が入り放題になっているのです。
ディズニーランドのゲートが殆ど消えてどこからでも入り放題になったら入るでしょ?
実際に相談に来られた小学生は学校にいる間に手洗いと消毒を授業の合間にするルールにより手の平が膿んでしまいました(1日に10回以上の手洗いと手指消毒)。

ということで、本末転倒にならぬよう、手指消毒をするならば石けんやアルコール消毒ではなく、非アルコールの商品をご利用ください。

手指を衛生的に保つ、手指のオーガニック衛生洗浄スプレー「手指キレイナチュラ」
 

マスクの弊害 頭痛・めまい・パニック障害etc...

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もう1つ、マスクの弊害について経験を踏まえて申し上げます。

低酸素と言うよりも、高二酸化炭素症という問題があります。 息苦しさは当然としまして、私の場合はかなり強めの頭痛を生じました。

長時間のマスク装着により、頭痛、目まい、集中力の低下、眠気、気力減退などを起こし得ます。 これは健康の面からしますと好ましくないばかりか、学業への悪影響が懸念されます。
更に言うと、マスクによる蒸れから口周りに皮膚炎を起こす方もいらっしゃいますし、口元を覆われることからパニック障害を引き起こす方もいらっしゃいました。 マスクを付けたくとも付けれない人がいることも、社会の理解が必要だと思います。

どんなマスクでもウイルスは入る

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西村大臣が2021年4月に「スーパーコンピューター『富岳』を使って(効果)検証もしている」ということからマスクの種類として不織布が推奨されております。 その理由を見ますと「小さいことかもしれないが、必ず隙間を開けないこと。布、ウレタンは不織布よりも飛沫(ひまつ)の防御の度合いが低い」とのことです。

隙間だらけよりは密着させた方が、まあ、いいでしょう。 しかし、マスクで感染を防ぐ観点をおっしゃっていますが、顔の大きさや輪郭、耳の位置、密着度合いなどでも富岳のデータは変わるでしょう。

そもそもマスクは防ぐものではなく、出さないものです。
どんな素材にしても、息を吸えたらウイルスは中に入ります。

マスクを重ねることも推奨されていますが、息はさらに苦しくなり、低酸素と高二酸化炭素症は増えるでしょう。あ、不織布は一度外したら破棄が原則だということをお忘れなく。

布やウレタン製は少なくとも毎日洗うこと。
同じ下着や靴下を洗わずに毎日使い続けますか?マスクは空気清浄機のフィルターみたいなもので、使い続ければ不潔極まりないです。

大いなる矛盾 ソーシャルディスタンス

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さて、ソーシャルディスタンスは何を防いでいるのでしょうか。
接触感染でしょうか?であれば、グータッチや肘タッチが良しとされている理由にはなりません。日本にはハグやキス挨拶の習慣がございませんし、隣り合った初対面の人とそもそもハグやキスはしないでしょう。

世の中で不思議だなぁと思う光景は、役所などの椅子は間隔を空けるのに、電車では空けません。特急や急行ではずっと同じ人が隣にいます。大いなる矛盾ですね。

では、飛沫感染を防ぐのでしょうか?であれば、マスクを装着して列に並べば問題ないはずです。やはりエアロゾル感染でしょうか?これは換気問題と同じで、横から風が吹いたら無意味です。逆に座れない人達が隅っこの吹きだまりで三蜜になっていたりします。

このように、何をやっているのかなぁという光景は世にあふれています。

ソーシャルディスタンスに唯一意味を見出すとしたら、人の数を減らすことでしょう? それならば入場人数制限をした方がよさそうです。 でも、中には入れず外に列ができたら意味がありません。

まとめ

新型コロナウイルス時代の感染症対策として求められている、マスク、手洗い、換気、ソーシャルディスタンスの意義と意味について考察しました。

実はそこには沢山の大いなる矛盾があることがお分かりいただけたでしょうか。 納得した行動をとりましょうね。

  • この記事の執筆は 自然派医師 田中佳先生

医学博士
日本抗加齢医学会認定専門医
ドクターホメオパス

昭和60年に東海大学医学部卒業後、同大学付属病院脳神経外科助手を経て、市中 病院で急性期医療に長年携わる。

大学在任中、悪性腫瘍癌に関する研究により医 学博士を取得。
その後、日本脳神経外科学会認定専門医・日本抗加齢医学会認定 専門医となるが、現代医療の限界を感じ、異なる方法を模索しているときに自然 療法に出会う。

著書
あなたが信じてきた医療は本当ですか?

公式HP
https://capybara-tanaka.com/

<人物イラスト提供:Jyuroji Shoko>

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