【2013年映画化】木村式自然栽培で作られた「奇跡のリンゴ」とは
リンゴが名産と言われている青森県で作られた「奇跡のリンゴ」をご存じですか?2013年に阿部サダヲさんや菅野美穂さんによって映画化されているので、知っている方も多いでしょう。
では、奇跡のリンゴはどんなリンゴで、どのような思いで作られているのでしょうか?今回は、木村秋則さんが青森で作った奇跡のリンゴについてご紹介していきます。
奇跡のリンゴとは?
奇跡のリンゴとは、青森県のリンゴ農家である木村秋則さんが10年もの歳月を費やして開発したリンゴのことを指しています。
木村秋則さんは農薬によって体調を崩してしまう奥さんの姿を見て、1978年から無農薬のリンゴ栽培を始めました。しかし、日本は温帯湿潤な気候となっていることから虫がつきやすく、当時は無農薬での栽培は不可能と言われていました。実際に最初の頃は毎日の虫駆除の手入れが大変な上に、実が実らない年も多くあったそうです。
ただ、10年の歳月をかけて無農薬で栽培したリンゴを作ることができたことから、木村秋則さんの開発したリンゴは「奇跡のリンゴ」とよばれており、木村秋則さんの栽培方法は「木村式自然栽培」としてリンゴ以外の方法でも採用されています。
木村式自然栽培の秘訣
では、「奇跡のリンゴ」を作り出した木村式自然栽培ではどうして農薬を使わずにリンゴを栽培することができたのでしょうか?ここからはその秘訣について見ていきましょう。
人為的に肥料を与えない
自然栽培とは、農薬を使わないだけではなく肥料を与えずに栽培するという方法です。これだけ聞くと、どうして肥料を与えずに食物が育つのだろうと疑問に思う方もいるでしょう。そこでまずはその方法について見ていきましょう。
通常、植物を育てるためには窒素・リン酸・カリウムという栄養素が必要だと言われています。しかし、植物は窒素をそのまま取り込むことができないため、窒素を植物が吸収することができるように硫酸態窒素を液体化した硫酸イオンに変えるために肥料を与えているのです。ただ、この硫酸態窒素が高濃度になると、それによって生成されるアミノ酸やタンパク質に虫が寄ってきてしまいます。
つまり、より植物が届くようにと与えている肥料が虫を寄せつける原因となっており、それによって農薬が必要な状態を作り出していると言えます。その上、硫酸態窒素が多く含まれた野菜は軟弱で腐敗しやすくなってしまいます。自然界は過不足ない程度の栄養素は十分に含まれているので、それを使って栽培を行おうとしているのが木村式自然栽培です。
大豆の根粒菌を使って土づくりを行う
では、木村式自然栽培はどのようにして栽培を行うのでしょうか?
先ほどもご紹介したように、窒素をそのまま取り込むことはできません。それを手助けするのが共生細菌です。共生細菌とは、窒素を取り込むことができる細菌であり、植物と共生しているものを指します。
その中でも代表的なのがマメ科の植物です。マメ科の植物には根粒菌という共生細菌がついているため、窒素を吸収することができるため、「マメを植えると土が肥える」とも言われています。
この原理を利用して、木村式自然栽培では大豆の根粒菌を使って土づくりを行い、そこにリンゴを植えて育てています。この方法を使ってできたのが奇跡のリンゴです。
木村式自然栽培は米作りにも応用
元々はリンゴ作りのために開発された木村式自然栽培ですが、最近は米栽培にも応用されています。木村式自然栽培に最適だと選ばれたのが、岡山県で作られている希少種「朝日米」です。
2010年にNPO法人である岡山県木村式自然栽培実行委員会が朝日米の自然栽培による農業指導を受けるため、木村秋則さんを招聘したことから始まっています。
朝日米は明治時代から続いている旭米の現存する最後の品種と言われており、独特なふっくらとした食感や優しい旨味が特徴のお米です。木村式自然栽培を採用することによって、生命力が強く粒がしっかりとした美味しい朝日米を作ることができると言われています。
現在、朝日米は「幻のお米」と言われており、必須銘柄登録米に指定されています。
まとめ
いかがでしたか?奥さんの農薬による体調不良から始まった木村秋則さんの「奇跡のリンゴ」作りは、自然の力を活かした自然栽培方法です。そのため、木村式自然栽培はリンゴだけではなくお米や桃などの栽培にも利用されていますし、SDGsの観点からも最近注目を集めています。
木村式自然栽培は手がかかるので大変な方法ですが、地球にも人にも優しい方法なので、今後さまざまな栽培農家の中で採用されていく方法だと言えます。
リンゴはもちろんですが、お米も他のものと比べて美味しいですし、無農薬で作られるので安心して食べることができるでしょう。ぜひ木村式自然栽培で作られた食べ物を試してみてはいかがでしょうか?
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「朝日」は、岡山で育った人工交配していない希少種で、コシヒカリやササニシキの祖先になります。大正時代~昭和初期にかけて、西日本一帯で作られていた「京都旭」という品種を、岡山農業試験場が純系淘汰を行い「朝日」として確立。全国で唯一残っている旭系品種です。
ヒカリ系のモチモチとした食感や甘みとは一味違った、ふっくらとした粘り、上品な甘さ、奥ゆかしい味わいが自慢です。
冷めても味が落ちませんので、お弁当やお寿司にもぜひどうぞ。
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