手作り発酵食品と微生物
毎日の食事の中で発酵食品は欠かせないものになってきています。健康にも美容にもいいとされているため注目を集めています。店舗で売っているものも多くありますが、コロナ禍により自宅で手作りする人も増えているのです。
発酵食品のパワーや、簡単な発酵食品の作り方なども紹介していきます。
古くから食べられていた?
発酵食品は古くから世界中でも身近に食べられています。それは約1万年もの歴史があるといわれています。しかし微生物の存在が知られてからはまだ500年くらいです。微生物のことよりも発酵食品の良さを実感して大事にしてきました。
発酵食品の良さとは
発酵食品の風味には微生物による発酵過程でアミノ酸、核酸などのうまみ成分やさまざまに酸が生まれます。味が複雑になっていることに加えてたくさんの香り成分が生成され、味と香りが合わさります。そして新しい風味の食品に生まれ変わります。
身近にある発酵食品と微生物
発酵食品は普段なにげなく食べている食事の中にも多くありますが、次にあげる食品もそうです。
・味噌・醤油・・・麹菌、耐塩性酵母、耐塩性乳酸菌、酵母菌
・ぬか漬け・・・乳酸菌、酪酸菌、酵母菌
・ヨーグルト・・・乳酸桿菌、乳酸球菌
発酵パワー
食品のうまみと栄養価をあげてくれる発酵食品。微生物の力によって食品本来の味に独特な風味が加わります。発酵によって体に有益な成分が増えるのです。
食品の保存性
牛乳は発酵させることによりヨーグルトやチーズにすると保存期間も長くなります。キムチの場合は乳酸菌の働きで野菜の糖分から乳酸を生み出します。漬け汁を酸性にすることにより雑菌の繁殖を抑えることができています。発酵食品は保存性が高いものなのです。
腸内環境を整えてくれる
発酵食品は生きている菌がたくさん含まれています。乳酸菌が含まれているヨーグルトやキムチなどを摂取すると腸内の善玉菌の働きを助けてくれて腸内環境を改善する働きがあります。善玉菌のサポートもしてくれる大事な役割をしてくれます。
発酵食品は自宅でも手作りできる
今では気軽に自宅でも発酵食品が作れるようになりました。手作りのキットなども市販で多く販売されています。特にヨーグルトなどは簡単に作れるので人気があります。自分で手間をかけて作ったヨーグルトやみそ、塩麹、ぬか漬けなどは特においしく感じます。
◎塩麹を作ってみましょう
材料はスーパーに売っている市販品の水と麹です。
麹は100gくらいに対して水は150gで塩は35g用意します。
1.容器に材料を入れてふたを閉める
2.炊飯器に水をはる
3,炊飯器の中に1を入れ、保温スイッチをおします
4.4時間以上保温しておくことで塩麹の出来上がり
炊飯ではなく保温なので注意しましょう。出来上がった塩麹は漬物や様々な料理に使うことができます。
◎味噌を作ってみましょう
2人で1年分の味噌を作る材料でご紹介します。
大豆500g,米麹500g,塩200g,大豆の茹で汁を適量用意します。
1.大豆を洗ってたっぷりの水で一晩浸しておきます
2.鍋に浸しておいた大豆を入れて強火で加熱します。沸騰したら少し弱めてやわらかくなるまで2時間程度茹でます。
3.茹で上がった大豆をつぶします。
4.米麹の塊を崩して塩と混ぜます。冷ましておいたつぶした大豆と混ぜ合わせます。大豆を煮た煮汁を1カップ程度加えて混ぜます。
5.消毒してある入れ物容器を用意してまるめて詰めて空気を抜きます。
6.上に塩を巻き、ラップで蓋をします。入れ物容器の蓋をします。1年ほどで味噌が出来上がります。
1か月くらいして確認し、白カビがでてきた場合はアルコールで消毒したもので取り除きます。半年くらいすると味噌になっていきます。あまりしょっぱくなければ半年後からも食べることができます。
置く場所は風通しのよいところがよいでしょう。暖かい場所は発酵が早くなるため夏場は冷蔵庫にいれてもよいです。
安全に自宅で発酵食品を楽しむには
日本の環境は高温多湿で生物も多く存在しています。科学的に微生物の働きをコントロールすることで発酵食品を安定的に製造することに成功しています。
微生物が発酵食品に関わることで発酵する以外にも腐敗するという現象もあります。食中毒にならないように注意が必要になります。腐敗してしまう原因としては塩分濃度が低かったり発酵の温度が上がりすぎたりすることで雑菌の増殖が抑えられなくなります。
発酵食品を作るときには手をよく洗うようにします。野菜も洗い、肉や魚を切ったまな板や包丁は消毒してから使うようにしましょう。
手作り発酵食品を購入する場合
手作り発酵食品はこちらのサイトでも買うことができるので作る時間がない人などにはぴったりです。プロの方が作った手作り発酵食品を味わうことができます。
まとめ
手作り発酵食品と微生物について解説いたしました。健康にも美容にもよいとされている発酵食品は普段の食事に積極的にとっておきたいものです。
手作りするときは特に微生物を取り扱うことには注意しながら安全に食生活に取り入れていくようにしましょう。手間を感じてしまう場合は手作り発酵食品を買うこともおすすめです。