ミツロウのよさについて
しっとりとした保湿力を持ち、美肌効果も高いと言われているミツロウクリームをご存知ですか?ミツロウという言葉は普段あまり聞かないのでピンとこない方もいますよね。
私達の生活の中で食べるだけではなく、美容ツールやお掃除ツールとしても役立っているハチミツですが、そのハチミツを集めているミツバチの巣を原料として作られているのがミツロウです。今回はこのミツロウが作られるまでの工程や、おすすめポイントについてご紹介していきます。
ミツロウとは?
養蜂場で箱の中にミツバチが巣を作り、そこからハチミツを採取している映像を見たことがある方も多いかと思います。
元々、ミツバチは女王バチが産卵するための巣を作る役目があり、その巣を作る時にミツバチから分泌されるのがミツロウの元となるロウ(蝋)です。
よく見る六角形のミツバチの巣のことですね。
養蜂場では、ミツバチが巣作りという仕事が無くなってしまうとその巣から出て行ってしまう習性への対策として、定期的に巣の中身を確認(内検)し、巣を少し取り除きます。そうして巣作りという仕事を与え続けることでハチミツを得ることができます。
この時取り除かれた巣は自然巣や無駄巣と呼ばれており、このミツバチが独自に作った自然巣だけを使って作られているのがミツロウ別名Beeswaxです。
ミツバチという生き物が作るものなので、同じく蝋の原材料となっている石油に比べ生産性が低く、ミツロウは貴重な天然素材と言われています。
このミツロウは食べることはできませんが、キャンドルとして使われたり、家具や皮製品のワックス、リップクリームや身体の保湿用のクリームとして使われています。
次の項目ではミツロウができるまでの工程を見てみましょう。
ミツロウができるまで
ミツロウに使う自然巣は、取り除かれてすぐのものを利用します。
そしてその自然巣を大きな鍋で煮込んで溶かし、綺麗に精製するために何度も湯煎して網で不純物を取り除きます。そして最終精製されたものを乾燥させたものがミツロウになります。(完全に全てを取り除けないこともあり、幼虫や蛹が含まれていることもあります。)
同じ工程で作られていても、時期によって含まれている成分などが違うためひとつひとつ香りや色味が違うのが特徴です。
ミツロウは固形で販売されていますが、熱することでまた溶かすことができ、それらを使って自分の好きな形のキャンドルを作ったり、特製のミツロウクリームにして利用することができます。
ミツロウの成分
美容に興味がある方なら、ハチミツが美容や健康に良いことは既にご存知ですよね。そのハチミツが作られているハチの巣からできたミツロウには一体どんな成分が含まれているのでしょうか。
①ワックスエステル(保湿成分)
ミツバチが巣を作る時にお腹から分泌されるもの、つまりミツロウの主成分はワックスエステルです。これがミツロウの成分の中で70%を占めています。
ワックスエステルというのは蝋の化学表記で、パルミチン酸ミリシルなどから作られています。
このワックスエステルというものは、食べて摂取できるものではありません。むしろ口から大量に摂取してしまった場合、人体では消化することができず体調不良を引き起こしてしまうのでできるだけ食べないように注意喚起されています。
一方で皮膚に含まれている脂質と同じ成分であることから保湿成分が高く、化粧品としても利用されています。皮膚の油分が十分に潤っていることは美肌になるための基本とも言えるので、このワックスエステルで身体を保湿することで美肌効果も期待できます。
②アルコール、炭化水素、脂肪酸
ほとんどの成分がワックスエステルであるミツロウですが、その他にもアルコールや炭化水素、脂肪酸が含まれています。
ミツバチの巣は、ミツバチが花粉を取ってきた花の種類や時期によって成分が微妙に異なるので、アレルギー成分となっているものが含まれていないかどうかは各販売元でしっかりと確認しておく必要があります。
①でご紹介したように、ミツロウに含まれるワックスエステルは保湿成分に優れていることから保湿の役割を持つリップクリームや保湿クリームとして主に使われています。
このミツロウとホホバオイル、ハチミツを混ぜることで、天然の保湿成分だけでできたクリームを自分で作ることもできるんです!
このクリームはハンドクリームやボディクリームとしてだけではなく、ヘアバームとしても使うことができ、化粧品の添加物が気になる方や、自分で作ってみたい方におすすめの材料です。髪に使う時には椿オイルを使うのもいいですよ。
まとめ
私達が健康や美肌を保つために、とても役に立っているミツバチ。
ハチミツは食べても美味しいし、巣は油分として様々なものを保護してくれます。
今までは、ハチミツの美容効果しか知らなかったという方も、今回を機にミツロウクリームを使ってみてはいかがでしょうか。